この記事では介護事業の集客方法やポイントについて紹介します。
今後、少子高齢化により介護業界は伸びていくと考えられていますが、介護施設の増加により利用者の取り合いが激化し、集客が難しくなると予想されます。
介護事業の集客力を高め売上を安定させるには、自施設の強みを明確にしてターゲットにアピールすることが大切です。
自施設の利用者数が安定しない方や、集客数アップを目指している介護施設経営者の方はぜひ参考にしてください。
介護事業での集客が難しい3つの理由
介護事業で集客が難しいと言われる理由を3つ紹介します。
- 介護施設数が増加している
- ターゲットのニーズを把握できていない
- 効果的な集客施策を実施できていない
介護業界はこれからも伸びていく市場ですが、介護施設数の増加にともない、他社と同じサービスでは生き残れなくなっていきます。
集客が上手くいっていない原因を分析し、改善することが重要です。
1. 介護施設数が増加している
高齢化により介護を必要とする人が増えているため、介護施設数が増えています。
厚生労働省の調査結果によると、2021年から2022年にかけて有料老人ホームは16,724施設から603軒増加し、17,327施設となりました。
自社施設の近隣に新しい介護施設が建てられ、商圏がかぶる施設が増えると予想されるため、他社にはない自社の強みをアピールする必要があります。
2. ターゲットのニーズを把握できていない
自社の介護施設を利用する要介護者やその家族がどのような施設や設備を必要としているかを把握することは、競合と差別化するうえで重要です。
自社の強みと施設利用者のニーズが合致している点がアピールポイントとなります。
例えば、以下のような点は強みとして挙げられやすいです。
- 提供するサービスの質
- スタッフの教育
- 充実した設備
- 介護知識の習熟度
- 施設内の雰囲気
利用者からアンケートを取るなどして、自社の目指す施設の特徴とニーズがマッチしているのかを確認しておきましょう。
3. 効果的な集客施策を実施できていない
施設利用者が高齢者だからといって、オフラインの集客施策だけを重視しても集客効果は上がりません。
高齢の利用者には子供や孫などの家族がいて、日常的にオンラインで情報収集しています。
そのため、オンラインとオフラインの両方で集客することが望ましいです。
介護事業のおすすめ集客方法5選
介護事業でおすすめの集客方法を5種類紹介します。
- ホームページ
- ポータルサイト
- チラシ・パンフレット配布
- ポスティング
- イベント開催
介護事業の集客方法も一般的なものと変わりません。
ターゲットに適した集客施策を実施した後は、成果の分析や改善に努めましょう。
1. ホームページ
介護施設はたいてい自社ホームページを持っています。
ホームページはGoogleやGoogleマップで上位表示されれば閲覧数が増えるため、SEO対策とMEO対策が必要です。
SEO対策 | ・Googleの検索結果で上位表示させるための対策 ・キーワード選定を行い、ユーザーの悩みを解決するコンテンツを作成する |
MEO対策 | ・Googleマップの検索結果で上位表示させるための対策 ・Googleビジネスプロフィールに施設情報を登録する ・最新情報への更新や口コミ返信を定期的に行う |
要介護者だけでなくその家族も閲覧する可能性が高いため、家族のニーズにも沿ったコンテンツを充実させましょう。
2. ポータルサイト
ポータルサイトには介護施設の情報がまとめて掲載されているため、多くのユーザーが閲覧し認知獲得に効果があります。
ただし、競合と比較されやすいため、自社の強みやコンセプトを明確に記載し他社との差別化を図ることが重要です。
ポータルサイトから自社ホームページにユーザーを誘導するため、ホームページのコンテンツ量を増やし、価値の高い情報を提供するように心がけましょう。
3. チラシ・パンフレット配布
介護施設のチラシやパンフレットを作成し、来館者やイベント参加者に配布することで集客が見込めます。
見込み顧客に直接手渡しできるうえ、興味を持っている顧客に説明することもできます。
チラシやパンフレットに自社のコンセプトやビジョンを明記すれば、見込み顧客は自社の考える介護施設の在り方に共感してくれます。
館内の写真や1日のスケジュールなどを掲載して、利用した際のイメージを持ってもらうことも大事です。
4. ポスティング
ポスティングはチラシを商圏にある住宅ポストに投函する方法です。
エリアや住宅の種類でターゲットを絞ることが可能で、潜在顧客に届く可能性があります。
施設オープンやイベント開催時など、幅広く地域に知ってもらいたい場合に効果的です。
ポスティングは一度だけでは効果が薄いため、繰り返し実施することで認知されます。
配布枚数が増えればコストも上がるため、国勢調査などのデータを使い細かくエリア選定をしておきましょう。
5. イベント開催
季節に合わせた行事や健康教室などのイベントを施設内で実施することで、近隣に住む高齢者を集客できます。
実際に来館しケアワーカーやスタッフと触れ合うことが親近感を生み、介護施設を選ぶ際の強い理由となります。
利用者だけでなくケアマネージャーを対象にしたイベントも実施しましょう。
ケアマネージャーに良い印象を持ってもらい、コミュニケーションを図れば、要介護者に自社をお勧めしてくれる可能性が高くなります。
介護事業の集客を成功させる5ポイント
介護事業の集客を成功させるには、5つのポイントがあります。
- 競合との差別化を図る
- 営業先を選定する
- 営業頻度を増やす
- 営業ツールをブラッシュアップする
- 問い合わせや見学の受付態勢を整える
介護事業はサービスが他社と似てしまいがちなため、オリジナリティのある強みが必要です。
営業方法も介護事業特有のものがあり、地域住民やケアマネージャーとの繋がりが重視されます。
1. 競合との差別化を図る
競合他社にはない自社の施設の強みを前面に押し出すことで差別化を図ります。
しかし、介護保険で受けられるサービス内容が決まっているため、サービスや料金での差別化が困難です。
独自の運動プログラムやイベント、無添加の食材を使った料理など、内容のクオリティアップや独自性が差別化に求められます。
2. 営業先を選定する
介護施設の利用者やその家族に直接アピールするだけでなく、利用を検討している人が相談する窓口への営業も集客には重要です。
ケアマネージャー | ・要介護/要支援認定を受けた人が適切なサービスを受けるためのサポートをする ・介護情報冊子「ハートページ」にリストあり |
地域包括支援センター | ・高齢者の介護や生活に関する総合的な相談窓口として、市区町村が設置している公的機関 ・社会福祉士、保健師、主任ケアマネージャーなどが在籍 |
居宅介護支援事業所 | ・在宅介護に関する相談や計画、連絡、調整を総合的に行う ・ケアマネージャーが常駐 |
医療機関 | ・メディカルソーシャルワーカーやリハビリスタッフが所属 ・医療が必要な要介護者が対象 |
介護に携わる人や機関などと信頼関係を構築することで、自社の介護施設を紹介してもらえる可能性が高まります。
ターゲットがよく利用する相談窓口への営業を積極的に行いましょう。
3. 営業頻度を増やす
営業活動は常に行う必要があります。
営業先を定期的に訪問しなければ自社を忘れられてしまい、見込み顧客への紹介をしてもらえません。
何度も訪問すれば、単純接触効果によりケアマネージャーや営業先のスタッフに良い印象を与えられます。
介護施設の利用者は長期で利用することが多いですが、要介護度の変更により施設が合わなくなって利用を止める人もいるため、常に利用者が減少したときのことを考えて営業を行いましょう。
4. 営業ツールをブラッシュアップする
営業ツールとして、チラシやパンフレットを準備している介護施設が多いです。
チラシやパンフレットは自社の強みやコンセプトを明確に打ち出して、統一感のあるデザインにする必要があります。
掲載したい内容は以下の通りです。
- スタッフの笑顔やサービスを利用している顧客の写真
- 施設の強みやコンセプト
- 1日の利用の流れ
- 契約までの流れ
- 口コミ
施設の雰囲気がわかる写真や目を引く言葉を配置して、好感を持てるレイアウトを意識しましょう。
ホームページやポータルサイトの掲載内容との統一も必要です。
5. 問い合わせや見学の受付態勢を整える
見込み顧客が介護施設を決めるときは施設見学をします。
そのため、問い合わせや見学に対応できる仕組みが必要です。
管理表や見学アンケートなどを作成すれば、スムーズに対応できます。
問い合わせをしたのに満足な回答を得られなかった、見学対応がもたもたしていたなどの不満を持たれてしまうと、興味を持ってくれたターゲットが他社に流れてしまいかねません。
好印象を与えるためにも、ターゲットとの接点となる問い合わせや見学対応の仕組み化に取り組みましょう。
介護事業で集客するには自施設の強みを知ることが大切
この記事では、介護事業の集客が難しい理由や成功する集客方法などを説明しました。
介護業界は今後も発展していくと考えられていますが、集客を成功させるために、ケアマネージャーや地域住民へ周知し、信頼関係を築いて長期的な集客を目指しましょう。
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