クリニックの集患施策の方法と成功のコツを説明します。
クリニックは年々増加しているので、マーケティングの視点で集患することが大切です。
クリニックの集患施策は、ホームページの作成・Web広告・SNS・屋外広告・チラシなどがありますが、ターゲットとなる患者の属性に適した方法を選ぶことが大切です。
患者がクリニックをかかりつけ医として通院してくれるよう、患者との信頼関係を築きつつ集患施策を行いましょう。
クリニックに集患対策が必要な理由
クリニックに集患対策が必要な理由は主に3つです。
- クリニックや医院の数が増えている
- 日本の人口が減っている
- 開業時の認知度の低さを補う
日本の人口が減少する状態はこれから先も続くため、ますます集患対策が必要となります。
集患の必要性を把握し、将来のためにも集患対策を行いましょう。
1. クリニックや医院の数が増えている
厚生労働省の調査によると、2021年の一般診療所数は前年に比べ1,680施設増加しています。
これはライバルとなるクリニックが増えたということです。
患者に他院より通いたいと思ってもらい、選ばれるクリニックにしなければ生き残りが厳しくなっています。
今後も医師数は増えると予想されるため、集患の必要性が増すでしょう。
2. 日本の人口が減っている
国土交通省がまとめた資料によると、少子高齢化により2004年以降日本の人口は減少しています。
若年層や生産年齢人口が減少し、65歳以上の高齢者は増加します。
2050年の高齢化率は40%です。
子供を対象にした小児科や耳鼻咽喉科クリニックは、より厳しい競争を迫られると考えられます。
3. 開業時の認知度の低さを補う
クリニック開業時は周囲の住民の認知度がゼロの状態です。
そもそもクリニックを知らなければ行こうという気持ちになりません。
自院を知り来院してもらうために集患施策が役立ちます。
どのようにアピールすればかかりつけ医になれるのかを考えて集患を実施していきましょう。
クリニックの集患方法7選
ここでは、自らの発信によって集患する方法を7種類紹介します。
- ホームページ
- Googleビジネスプロフィール
- リスティング広告
- SNSアカウント
- 屋外広告
- ポスティング
- タウン誌への記事出稿
メドピア株式会社が集患施策をして効果があったものについて開業医にアンケートをとったところ「自院のホームページ開設」がトップでした。
「医師会への参加」が次点です。
医師会に入会すると学校医や地域の予防接種を担当できるようになるため、そこから集患ができます。
3位は「駅や電柱などの屋外広告の掲載」です。
オンライン・オフライン問わず、必要な集患施策に積極的に取り組んでいる開業医が多いとわかります。
クリニックが情報発信することは集患を成功させるうえで重要です。
ただ名前を知られているだけでなく、困ったときに診察してもらおうと患者に思ってもらえる存在になる必要があります。
1. ホームページ
厚生労働省の調査結果では、医療機関を選ぶ際の情報の入手先として口コミが1位、2位が医療機関のインターネットの情報で、23.5%の人がクリニックにかかる前にホームページを見ていることがわかります。
ユーザーがGoogleでキーワード検索し、その結果ホームページを訪れるプロセスが大半です。
ユーザーが検索するときは何か悩みがあるときのため、その悩みを自院で解決できると考えてもらえるホームページ作りを心がけてください。
また、検索結果の上位に表示されるように、ホームページにSEO対策を行いましょう。
2. Googleビジネスプロフィール
GoogleビジネスプロフィールはGoogleマップに自院の位置やビジネス情報を登録するものです。
「クリニック 地域名」で検索すると検索結果の上部にその地域のクリニックが表示されるため、ユーザーに自院を見つけてもらいやすくなります。
Googleマップでクリニック情報を見たユーザーがホームページを訪れたり、電話で予約をとったりできるため基本的な情報を充実させることが大事です。
Googleビジネスプロフィールに登録すると、ユーザーからの口コミを集められます。
口コミには必ず返信し、ユーザーとのコミュニケーションを図りましょう。
2. リスティング広告
リスティング広告は検索連動型広告とも言い、GoogleやYahoo!の検索結果の上部もしくは下部に表示される広告です。
特定の地域に限定した出稿が可能なため、クリニックとの相性が良いです。
検索キーワードを厳選しニーズを絞った出稿をすることで、他のクリニックとの差別化が可能となります。
SEO対策ができていなくてもリスティング広告であれば、検索結果の目立つ場所に表示できるのもメリットです。
3. SNSアカウント
SNSはユーザーとの距離が近いため、医者である自分自身に親近感を持ってもらいやすいという利点があります。
Dr.転職なびの調査では、約50%の医師がSNSを利用していますが、その内情報発信もしている医師は32.3%しかいません。
定期的に投稿する必要があるため、まだSNSを活用できている医師が少ないのが現状です。
しかし、SNSは様々な人が投稿を閲覧するため、アカウントのフォロワーが増えれば宣伝効果は絶大です。
4. 屋外広告
屋外広告はクリニックの外や、地域に掲げる広告や看板です。
看板がなければ患者にクリニックだと認識してもらえない可能性があります。
地域の雰囲気を考慮して視認性の高い屋外広告を制作しましょう。
屋外広告はわかりづらい立地のクリニックに取り入れると効果的です。
ホームページなどで興味を持った患者が来院したいと思ったとき、場所がわからなければなかなか行き着くことができません。
幹線道路から自院までの道にある電柱などに道案内のように広告を設置すると、立地の不利を減らせるうえ宣伝効果も期待できます。
5. ポスティング
ポスティングはチラシをポストに入れて配布することです。
自院の商圏エリアにポスティングして認知を高められます。
開業前の内覧会の宣伝など、地域住民に知ってもらうことを目的に出すことが多いです。
チラシに院長の写真や開業の思いなどを載せて信頼できそうだという印象を与えましょう。
7. タウン誌への記事出稿
クリニックは地域住民の中からいかに多くの人に来院してもらえるかが重要です。
クリニックのある場所から同心円上にある地域からまんべんなく来院が見込めるのが理想とされていますが、実際はより狭い範囲の地域からしか患者が来ていないということもあります。
地域限定のタウン誌への記事出稿は、自院の狙った地域の人々に記事を読んでもらえるため認知を取るのに役立ちます。
クリニックの宣伝だけでなく、健康の豆知識などをわかりやすく記事にして興味をひくと効果的です。
クリニック集患の成功のコツ
ここではクリニックの集患を成功させるコツ5つを解説します。
- ターゲットに合う集患施策を選ぶ
- 他院との差別化ポイントをアピールする
- 予約システムを導入する
- 高評価の口コミを増やす
- ヒアリング調査を実施する
最初は認知のために集患施策を行いますが、その後はかかりつけ医となり、リピーターを増やす必要があります。
患者の声を取り入れ、通いやすいクリニックを目指しましょう。
1. ターゲットに合う集患施策を選ぶ
ターゲットによって効果の出る施策は異なります。
高齢者であれば新聞の折り込みチラシやポスティングが効果がありますが、子育て世代ならSNSやホームページなどでの情報発信が効果的です。
自院の患者層を明確にして集患施策を選びましょう。
2. 他院との差別化ポイントをアピールする
大都市圏は人口が多いためクリニックが立ち並び、同じ地域に同じ診療科が複数あることも多いです。
自院が持つ、他院にはない強みをアピールして差別化を図ることが重要です。
例えば、同じ小児科でも差別化ポイントは数多くあります。
- 専門性の高い医療を提供しているか
- 子供とのコミュニケーションが上手いか
- 予約・キャンセルがしやすいか
- 広い駐車場があるか
- 子供向けの待合室があるか など
開業予定地の近隣にある他院をリサーチし、自院の強みを作りましょう。
3. 予約システムを導入する
最近では感染症対策のため、待合室に多くの患者が集まらないよう予約システムを導入しているクリニックが増えています。
厚生労働省の調査結果は病院の外来患者の予約状況を示しているため一般診療所であるクリニックは含まれていませんが、年々予約してから来院することが一般化しているとわかるでしょう。
予約システムを導入することで診察までの待ち時間が減ります。
クリニックで長時間待たなければならない無駄がなくなるため、患者にとって利便性の高いシステムです。
4. 高評価の口コミを増やす
口コミが低いもしくは口コミが少ないクリニックは患者が不安を感じるため、集患に苦戦することがあります。
口コミは第三者の声として信用されやすいため、数多くある方が良いです。
患者に口コミ投稿や院内のカードへの記入などを促しましょう。
皮膚科の口コミを例にすると、医師の評判と対応の丁寧さを多くの人が参考にしています。
医師・スタッフの対応や説明のわかりやすさなどで低い口コミをもらった場合は、人の態度や感じさせ方に問題がないか確認・改善を行いましょう。
口コミはクリニックで働く人全員が目を通して共有することが大切です。
自分の対応がクリニックの印象を左右すると意識し、患者対応ができます。
5. ヒアリング調査を実施する
屋外広告やチラシなどの認知施策によって、集患するための認知が拡大します。
その反面、クリニックを知っているけれども既にかかりつけ医がいるから行ったことがない患者も多いでしょう。
そのような患者の一部には、現在のかかりつけ医に不満はあるが面倒だから変更しない人もいると考えられます。
クリニック周辺の住民にヒアリング調査を行うことで、自院に来ない理由や他院を選ぶ理由、心の底で思っている不満などがわかります。
住民の不満や悩みを解決できるとアピールできれば、クリニックの乗り換えや集患は成功するでしょう。
クリニックの集患施策の注意点
厚生労働省は医療広告規制により医療施設の広告やウェブサイト、SNSなどの表現などを規制しています。
例えば、他院との差別化を図ろうとして、自院が他院よりも優良だと表現できません。
あくまでも自院の強みとして書く必要があります。
口コミとなる体験談も細かく規制されており、口コミサイトからホームページへの転載やスタッフの体験談の掲載などができません。
他にも虚偽広告や誇大広告なども禁止されているため注意してください。
参考:厚生労働省『医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書』
クリニックは集患とリピーターを増やす施策が必要
この記事では、クリニックの集患方法や成功のコツなどについて説明しました。
クリニックは年々増加しており、ますます集患施策が重要となります。
何もせずとも患者が集まってくることはなく、マーケティングを取り入れた集患をすることが大切です。
地域住民の悩みなどをリサーチして施策を打ち、結果を検証して改善するPDCAサイクルを回すことで集患施策が効果を増します。
初来院の患者に自院をかかりつけ医として選んでもらうために、信頼関係づくりを忘れないようにしましょう。
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