集患の基本的な考え方と効果的なオンライン・オフライン施策10選

集患の基本的な考え方と効果的なオンライン・オフライン施策10選

集患とは、医療機関に患者を集めることを指します。

集患に効果を発揮する代表的なオフライン施策は、看板の設置・チラシのポスティング・タウン誌への出稿・セミナー開催・近隣の医療機関との連携です。

オンライン施策としては、自院ホームページの開設・予約システムの導入・SNS/ブログによる情報発信・Web広告・医療機関ポータルサイトの活用などが挙げられます。

集患を成功させるコツとあわせて見ていきましょう。

集患とは

はじめに、集患に関する基本事項を押さえておきましょう。

集患とは何か、集患と増患はどう違うのか、なぜ医療機関にとって集患が重要なのかを明確に把握しておくことが大切です。

医療機関に患者を集めること

集患とは、医療機関に患者を集めることを指します。

クリニックなどを開業し、設備を整え、スタッフを採用したとしても、患者が来院しなければ医療機関として成立しません。

医療サービスを必要としている患者は数多く存在します。

一方で、医療機関がどこにあるのか、どのような医療サービスを受けられるのかが伝わらなければ、患者は来院しないでしょう。

医療機関の経営を成功させるには、患者に自院の存在を知ってもらい、来院してもらう必要があるのです。

集患と増患の違い

集患と似た言葉として「増患」が挙げられます。

集患が「患者を集めること」を指すのに対して、増患は「来院する患者数を増やすこと」を表している点が大きな違いです。

たとえ集患に成功したとしても、再診のために来院する患者が増えていかなければ経営は安定しません。

集患は主に初診の患者を集めることを表し、増患は2回目以降に来院する患者も含めて増やしていくことを表しています。

増患は集患に成功した先にある施策と捉えてください。

なぜ集患が重要なのか

世の中には数多くの医療機関があります。

受診する医療機関を決めるきっかけは、患者によってまちまちです。

  • たまたま近所にあるクリニックだったから
  • ポスティングチラシを見てクリニック名を知っていたから
  • クリニックのホームページを見て感じが良さそうだったから
  • 受診した知人から良い評判を聞いたから

1つひとつはささいなきっかけに見えますが、実際にはわずかな情報の差が来院の動機となるケースは少なくありません。

注意しておきたいのは、「医師の腕が良ければ患者は自然に増えていく」とは限らないという点です。

医師の腕が良いかどうかは、実際に受診するまで判断できません。

さまざまな施策を講じることで、患者に自院の存在を知ってもらい、来院するきっかけづくりをしていく必要があるのです。

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集患に効果を発揮するオフライン施策5選

集患に効果的な施策には、大きく分けて「オフライン施策」と「オンライン施策」があります。

どちらが優れているというものではなく、両方の施策を並行して講じていくことが重要です。

まずは代表的なオフライン施策5選を見ていきましょう。

看板の設置

看板の設置は、医療機関の存在を生活者に知ってもらうための代表的な施策の1つです。

自院の道路際や窓への看板設置に加え、周辺の屋外看板広告スペースに広告を出す方法もあります。

一般的に看板を目にするのはごくわずかな時間に限られることから、自院の強みや魅力を端的に伝えることが重要です。

繰り返し看板を目にすることで、生活者の記憶に残りやすくなる点が看板を活用した集患の大きなメリットといえます。

チラシのポスティング

自院を紹介するチラシを制作し、住宅の郵便受けに配布していく方法です。

ポスティング業者に依頼することで、多くのチラシを指定したエリアに配布してもらえます。

自院の近隣だけでなく、やや離れたエリアまで情報を届けたい場合に適した方法といえるでしょう。

チラシを廃棄しない限り、手元に保管しておける点がチラシのメリットです。

ポスティングを実施した直後だけでなく、中長期的に集患効果を発揮する可能性のある施策といえます。

タウン誌への出稿

地域情報が掲載されているタウン誌に広告を出稿する方法もあります。

タウン誌の購読層は居住エリアの情報を求めている可能性が高いため、近所の医療機関を探している患者向けの施策として有効です。

自治体が発行している広報誌であれば、地域住民の目に触れる可能性は十分にあります。

継続的に出稿していくことで、自院の存在を認知してもらうための媒体の1つとなるでしょう。

セミナー開催

健康づくりに役立つ情報提供など、医療の専門家としての知見を活かして無料セミナーを開催するのも1つの方法です。

今すぐに受診する予定のない方にも参加してもらえる上に、参加者の家族や知人に口コミで評判が広がっていく効果も期待できます。

休診日に自院でセミナーを開催するほか、公民館や会議室などを借りて開催することも可能です。

セミナー開催を通じて、より多くの方々に自院の存在を知ってもらうきっかけづくりをしてみてはいかがでしょうか。

近隣の医療機関との連携(医師会への参加)

近隣の医療機関と連携し、互いに患者を紹介し合う仕組みを整えていく方法もあります。

患者は受診すべき診療科目を適切に自己判断できるとは限りません。

異なる診療科目を受診する必要が生じた際に、自院を紹介してもらえるよう近隣の医療機関との連携を図りましょう。

連携を図るという意味では、医師会への参加も集患につながる可能性があります。

健診や予防接種、夜間休日診療といった業務を他院と連携して進めやすくなるからです。

自院のみで集患するのではなく、横のつながりを活かして集患施策を講じるのも重要な視点の1つといえます。

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集患に効果を発揮するオンライン施策5選

オフライン施策と並行して講じておきたいのがオンライン施策です。

近年、Webサイトで医療機関の情報を調べてから来院する患者が増えています。

2022年のインターネット利用率は84.9%(※)に達しており、集患においても重要な媒体となるのは間違いないでしょう。

集患に効果を発揮するオンライン施策例を5つ紹介します。

※出典:総務省「令和5年 情報通信に関する現状報告の概要

自院ホームページの開設・改修

ホームページは、来院を検討している患者が訪れる可能性の高い媒体です。

単に自院を「紹介する」だけに留まらず、自院の「魅力」や「他院との違い」をわかりやすく発信する必要があります。

例えば、待合室や受付、診療室などの様子を視覚的にわかりやすく紹介しているでしょうか。

初めて訪れる医療機関がどのような雰囲気なのか、患者が不安に感じるケースは少なくありません。

画像や動画を掲載することで、自院の様子を視覚的に伝えられます。

患者の不安や緊張を和らげられるよう、自院ホームページを開設・改修することが重要です。

予約システムの導入

患者にとって、予約方法の利便性は来院を決める上で非常に重要な要素の1つです。

Webサイト上で予約が可能なシステムを導入することにより、初診のハードルを下げられます。

一例として、自宅近隣に2つのクリニックがある患者の例を考えてみましょう。

  • Aクリニック:予約受付は電話のみ(診療時間内に限る)
  • Bクリニック:Web予約が可能(24時間365日受付可能)

上記の例であれば、Bクリニックを選ぶ患者が多いことは想像に難くありません。

「自宅から近い」ことに加え、「予約しやすい」ことが患者にとって大きなアドバンテージとなるのです。

医療機関側としても予約の対応や管理にかかる手間が軽減され、来院した患者への応対に集中しやすくなるでしょう。

SNS・ブログによる情報発信

SNSやブログを活用した情報発信も、中長期的に見ると集患に寄与する施策といえます。

医療機関は多くの患者にとって、決して親しみやすい存在・身近な存在ではありません。

スタッフや院長がSNSやブログで情報発信をすることで、人柄や雰囲気を伝えやすくなります。

LINE公式アカウントであれば、予約ツールやお知らせ配信に活用することも可能です。

SNSやブログを活用して、院内の雰囲気やスタッフの方々の思いを発信してみてはいかがでしょうか。

Web広告

自院ホームページやSNSアカウント・ブログを閲覧する患者の多くは、すでに自院の存在を認知しています。

検索サイトでクリニック名などを直接検索してもらうには、そもそも自院のことを知っている必要があるからです。

集患を成功させるには、まだ自院を認知していない層に情報を届ける必要があります。

いわゆる「潜在層」に情報を届けるには、Web広告の活用が効果的です。

主なWeb広告の種類には、次のものがあります。

  • ディスプレイ広告:Webサイト内の広告枠に掲載する広告
  • リスティング広告:検索ワードに連動して表示される広告
  • リターゲティング広告:自院サイトを訪れたユーザーを追跡する広告
  • ネイティブ広告:Webサイトコンテンツの一部のように表示される広告
  • アフィリエイト広告:成果に対して報酬を支払う成功報酬型広告
  • 動画広告:動画コンテンツ再生時に挿入される30秒程度の広告
  • SNS広告:SNSのタイムライン上に表示される広告

自院ホームページやブログなどを立ち上げたばかりの時期には、Web広告も併用して訪問者を増やしていくことをおすすめします。

医療機関ポータルサイトの活用

さまざまな医療機関を紹介しているポータルサイトを活用した集患方法もあります。

ポータルサイトに自院の情報を掲載することで、今まさに医療機関を探している患者に見てもらえる可能性が高まるからです。

注意点として、すでにポータルサイトを活用している医療機関が多数あるため、自院の情報が埋もれやすいデメリットもあります。

無料で掲載できるサイトと有料のサイトがありますが、有料の場合は費用対効果を慎重に検討する必要があるでしょう。

集患を成功させるためのポイント

集患を成功させる上で重視しておきたいポイントを紹介します。

次の3点を押さえて、集患施策の効果を高めましょう。

他院との差別化要因を明確に打ち出す

オフライン施策・オンライン施策のいずれにも当てはまることとして、「他院との差別化」が重要なポイントとなります。

患者にとって、受診する医療機関の選択肢は数多くあるのが実情です。

他院ではなく自院を選ぶメリットを患者に十分伝えられていなければ、他院を選ぶ患者が増えるのは必然でしょう。

自院の特徴や強み、患者が得られるメリットを前面に打ち出し、患者に「選んでもらう」工夫を施す必要があります。

自院だからこそ提供できる価値を深掘りし、他院との差別化要因を明確にしておくことが大切です。

オフライン・オンライン施策を連動させる

オフライン施策とオンライン施策は、それぞれ単独で講じるべきではありません。

両者を連動させ、相乗効果を引き出すことが重要なポイントです。

例えばチラシのポスティングであれば、チラシ内に自院WebサイトやSNSアカウントにつながる二次元コードを掲載しましょう。

チラシ上では伝え切れない情報や、チラシでは表現できない動画コンテンツなども、Webサイトなら掲載できます。

反対に、ブログやSNSにてセミナーを告知すれば、読者やフォロワーがセミナーに参加してくれるかもしれません。

オフライン施策とオンライン施策を組み合わせ、患者と自院の接点を増やしていくことが大切です。

施策の効果検証と改善を繰り返す

集患のための取り組みは、始めてすぐに効果が現れるとは限りません。

即効性が実感できないからといって施策を変更するのではなく、効果検証と施策の改善を繰り返していくことが重要です。

例えばWeb広告であれば、設定するキーワードによって成果が大きく変わることも決してめずらしくありません。

チラシのポスティングに関しても、配布するエリアや曜日を変えることで集患効果が変化する可能性も十分に考えられます。

施策の実行と効果検証はセットで捉え、PDCAサイクルを回しながら改善を図っていきましょう。

まとめ

医療機関にとって、集患のための施策は安定した経営基盤を築く上で重要なポイントの1つです。

今回紹介した施策例を参考に、ぜひ自院に適した集患施策を検討し、実践してください。

効果的な集患施策が見つかれば、多くの患者から「選ばれる」医療機関になっていくはずです。

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