集客増客は単に顧客を集めるだけでなく、集めた見込み客をいかに増やし、維持・拡大していくかまでを含むマーケティングと営業の重要な戦略です。
集客も増客もターゲットを明確にし、適切なアプローチとコミュニケーションを継続することが重要です。
この記事では、集客と増客それぞれに適した施策や流れ、実施のポイントについて説明します。
集客を重視しがちで増客の施策が不足している経営者は、ぜひ参考にしてください。
集客から増客に至る流れ
集客から増客に至る流れは単に顧客を集めるだけではなく、集めた顧客を維持しつつ顧客数を拡大していくかまでを含む戦略です。
ターゲットを明確にし、適切なアプローチとコミュニケーションを継続することが大事です。
1. 集客
集客はターゲット層にアプローチし、見込み客を集める活動です。
露出を高め、ターゲットとなる顧客に自社や店舗、Webサイトなどに訪問してもらうことが目的です。
集客はマーケティング活動の一部であり、SNS広告やSEO、チラシ、イベントなどさまざまな手段で行われます。

2. 参客
参客はWebサイトに訪問した見込み顧客に何らかのアクションを起こしてもらうことです。
個人情報登録やアンケート回答、資料請求、見積もり依頼などをしてもらうことで顧客情報を取得し、フォローアップやプロモーションを行うためのきっかけを作れます。
参客の仕組みを用意してから集客することで、効率的に顧客を育成できます。
3. 接客
オンラインでの接客はメルマガやLINE公式アカウントを使って新商品・キャンペーン情報などを発信する施策のことです。
継続的に発信することで、顧客との関係強化やリピート購買、売上拡大につながります。
顧客の属性や行動に合わせたパーソナライズ配信や、興味を引く内容・デザイン、適切な配信頻度を意識することで、高い効果が期待できます。
4. 増客
増客は集めた顧客をさらに増やし、全体的に顧客数を拡大する活動です。
新規顧客を集めるだけでなく、既存顧客のリピートや口コミによる紹介、休眠顧客の再活性化なども含みます。
増客では顧客を集めることだけでなく、顧客を減らさない・戻ってきてもらうことが重要です。

集客のための施策
集客を増やすにはターゲットを明確にし、さまざまな施策を組み合わせて多角的にアプローチすることが重要です。
既存顧客の声を活かし、顧客が行動しやすい仕組みを整えることで、効率的な集客ができます。
1. SNS
SNSは幅広いターゲットに直接リーチでき、双方向のコミュニケーションを通じて信頼関係構築やファン化を促進しやすいのが特徴です。
各SNSのアルゴリズムやユーザー層、投稿形式に合わせて継続的に価値あるコンテンツを発信しましょう。
フォロー&リポスト、プレゼント企画などのSNSキャンペーンは、新商品のプロモーションやイベントの告知に適しています。
ユーザー生成コンテンツを投稿してもらえば、口コミによる信頼を獲得しやすくなります。

2. Web広告
Web広告は目標とターゲットに合わせて媒体を選びます。
リスティング広告 | 検索キーワードに連動して表示購買意欲の高いユーザーにダイレクトにアプローチ可能 |
ディスプレイ広告 | Webサイトやアプリにバナー表示ブランド認知や潜在顧客に効果的 |
SNS広告 | ターゲティング精度が高いエンゲージメントを重視した訴求が可能 |
動画広告 | 視覚的・感情的な訴求力が高いブランドイメージ向上に有効 |
出稿の効果測定がしやすいため、クリック数やコンバージョン数などを分析し、より効果の高い広告に改善しましょう。

3. SEO
SEOは検索エンジンの自然検索結果で上位表示を目指し、自社サイトへの流入を増やすための取り組みです。
ターゲット層が検索しそうなキーワードを洗い出し、検索意図に沿ったコンテンツを作成します。
ユーザーのニーズに応える質の高い記事を作成するとともに、サイト構造を最適化することで検索エンジンに評価されやすくなります。
Googleの品質評価基準やアップデート情報を随時つかみ、最新の対策を行いましょう。

4. ポスティング
ポスティングは地域密着型ビジネスや店舗型ビジネスで有効な方法です。
ターゲットと配布エリアを設定し、定期的に配布することで認知度を高められます。
チラシに大量の情報を詰め込みすぎると、ターゲットの印象に残りません。
伝えたい情報を絞り、簡潔で分かりやすいチラシにしましょう。

5. マス広告
マス広告はテレビCMや新聞広告、雑誌広告、ラジオCMといった多くの人に同時にリーチできるメディアを活用し、短期間で広範囲に認知を獲得できる集客方法です。
新商品発売やキャンペーン、イベントなどを実施するタイミングで集中的に広告を展開し、注目度を高めます。
マス広告単体よりも、Web広告やSNSと組み合わせることで効率的に集客できます。
テレビCMで認知を高め、WebやSNSで詳細情報やキャンペーンを展開するクロスメディア戦略が有効です。
増客のための施策
増客のための施策は、顧客ロイヤルティの向上や再購入の動機付けを目的としたアプローチが有効です。
ここでは5種類の施策を紹介します。
1. ポイント制度
ポイント制度は、顧客のリピート率や満足度を高め、新規顧客の獲得や既存顧客の囲い込みに有効です。
ポイントを貯めるための再来店を促進したり、残りいくらでポイントが貯まると提示して追加購入を促したりすることでLTVを上げられます。
ポイント制度は還元率や特典内容、使い勝手で差別化を図ることが大切です。
2. サブスクリプションサービス
サブスクリプションサービスでは、お試し期間や初回無料などの導入のハードルを下げる施策を行って新規顧客を獲得するとともに、既存顧客に対して上位プランや追加サービスを提案し顧客単価を拡大します。
顧客にサービスの利用を継続してもらわなければいけないため、定期的な情報発信で顧客との関係を維持することが大事です。
利用し続けるほど価値が高まるようなサービスはファンをつくりやすく、口コミからの新規顧客獲得を期待できます。
3. ダイレクトメール
ダイレクトメール(DM)は顧客の興味や購買履歴、ライフイベントに合わせて内容をカスタマイズでき、顧客一人ひとりに合わせた提案ができるため、ブランドへの愛着やロイヤルティを高められます。
優良顧客には感謝のメッセージや特別なクーポンを送り、休眠顧客には新商品の情報を送るなど、顧客の状況に合わせたDMをタイミング良く送ることが重要です。
送付後は顧客の反応やフィードバックをもとに、内容を繰り返し改善しましょう。

4. メールマガジン
メールマガジンは登録者を増やす施策と、登録者の購買意欲を高める配信戦略の両方が重要です。
資料請求やホワイトペーパーなどのダウンロード時にメールアドレスを取得し、登録者を増やします。
登録者には業界ニュースやハウツーガイド、成功事例などの役立つ情報を発信し、満足度とエンゲージメントを高めます。
読者の生活リズムに合わせて毎週決まった曜日や時間に配信し、すぐに開封してもらう工夫も重要です。

5. LINE公式アカウント
LINE公式アカウントでは1対1のコミュニケーションやクーポン・ショップカードの提供、セグメントに合わせた配信などによって、顧客満足度を向上できます。
プッシュ通知により配信が届いたことをユーザーに気づいてもらいやすいため、期間限定のキャンペーンやセールなど即時性の高いイベントの告知にも適しています。
友だち登録時にアンケートに回答してもらい、顧客の属性を把握して適切な配信を行いましょう。

集客と増客を成功させるためのポイント
集客と増客が成功すると、事業成長や売上アップを確実に実現するための土台が築けます。
一時的な集客にとどまらず、増客によって安定した顧客基盤と中長期的な売上アップを目指しましょう。
1. ターゲットの明確化
年齢や性別、居住地域、職業などの属性やニーズを明確にし、アプローチする顧客層を絞り込みます。
既存顧客データや市場調査を活かし、効果の高い集客施策を選定しましょう。
ターゲットを設定することで、広告費や人的リソースを無駄なく集中して使えます。
広範囲にアプローチするよりも、狙った層にピンポイントで情報を届けることでコストパフォーマンスが向上します。

2. リピーター獲得への意識
新規集客だけでなく、リピーターの獲得にも注力し、長期的な集客力向上を目指します。
新規顧客を獲得するには広告やプロモーションなど多額のコストがかかりますが、リピーターはすでにブランドやサービスを認知・信頼しているため、新規顧客獲得に比べてコストが大幅に抑えられます。
リピーターへの特典やコミュニティ形成など、愛着を持ってもらう施策を実施しましょう。

3. 魅力・ベネフィットの発信
商品やサービスの魅力やベネフィットを明確に伝え、顧客の興味・関心を引きつけます。
顧客は商品・サービスの購入が自分にとってどのようなメリットがあるのかをイメージできると、購入や利用へのハードルが下がります。
機能やスペックの説明ではなく、顧客の生活や課題を解決する具体的な価値を伝えて、他社との違いを際立たせることが重要です。
4. 顧客とのコミュニケーション
顧客とのコミュニケーションを継続的に行うことで、顧客は自分の意見や要望が企業に伝わっていると感じ、満足度が高まります。
対話を通じて信頼関係が築かれれば、ブランドへの愛着やロイヤルティも向上するでしょう。
満足度の高い顧客はリピーターとなり、口コミや紹介による新規顧客獲得にも寄与します。
5. 効果測定と改善
集客施策の効果を定期的に測定し、データをもとに改善や調整を繰り返します。
どの集客施策が成果を上げているかをデータで把握することで、他社よりも迅速かつ的確に顧客ニーズに応えられ、競争優位性を確保できます。
PDCAサイクルを回すことでコストパフォーマンスの高い施策を見極められるため、効果の高い施策に予算や時間を集中させ、無駄な投資を減らすことが可能です。
集客と増客を組み合わせて売上アップを図ろう
集客と増客は売上アップを目指す上でどちらも重要です。
集客ではSNSやSEO、ポスティングなどのチャネルを活用し、新規顧客を獲得します。
増客ではリピーター獲得や顧客満足度向上を意識し、ポイント制度やサブスクリプション、LINE公式アカウントなどを活用して既存顧客との関係を深め、再購入や紹介を促進します。
2つを組み合わせて、新規顧客の流入と既存顧客の囲い込み、顧客生涯価値(LTV)の向上を実現させましょう。
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