集客が少ない原因として、やみくもに人を集めようとしている・見込み顧客のニーズを把握できていない・ターゲットを見誤っている・活用している媒体が適切でない・セールスポイントがわかりにくい・競合分析が不十分・ブランドや商品が認知されていないといったものが考えられます。
原因をしっかりと分析し、適切な解決策を打っていくことが重要です。
集客が少ない現状を打破するための解決策と、集客の失敗を挽回するために必要な考え方について見ていきましょう。
集客が少ない・うまくいかない主な原因7選
集客が少ない・うまくいかないと感じているようなら、戦略や施策に必ず何らかの原因があるはずです。
集客が思うように進まない主な原因7選を見ていきましょう。
やみくもに人を集めようとしている
「集客」という言葉に囚われてしまい、やみくもに人を集めようとしていると効果を実感できません。
寿司が食べたいと思っている人をハンバーガーショップに集めても効果がないように、対象者を絞り込んでおくことが大切です。
自社の商品・サービスを利用する見込みが高い人を集めていけば、自ずと購入率やリピート率も向上します。
結果として売上が安定し、集客が功を奏するのです。
集客とは単に人を集めることではなく、買ってくれる可能性がある人を集めることを指します。
やみくもに人を集めようとしているようなら、対象者の洗い出しをやり直しておく必要があるでしょう。
見込み顧客のニーズを把握できていない
集めるべき対象者を的確に絞り込めていたとしても、見込み顧客が「なぜ買うのか」を把握できていないと集客はうまくいきません。
見込み顧客が商品に関心を寄せたり、実際に来店したりする動機を深掘りできていないため、訴求ポイントを見誤りやすいからです。
例えば自社にとっての目玉商品と、見込み顧客が求めている商品にずれが生じるといった事態が想定されます。
見込み顧客のニーズに対する理解が不足していれば、広告戦略や販売戦略も適切に策定できないでしょう。
結果として「広告費をかけても集客できない」「販売を強化しても売れない」といった状況に陥りかねないのです。
ターゲットを見誤っている
自社側の思い込みにより、ターゲットを見誤っている可能性もあります。
例えば、「レンジで温めるだけで完成するレトルト食品は一人暮らしの若者向け」という固定観念を持っていたとしましょう。
実際には育児に追われている母親・父親が、自分たちが食べる分の食事を短時間で用意したいと感じているかもしれないのです。
ターゲットを見極める際には、できるだけ客観的なデータを元に判断する必要があります。
「おそらく……だろう」といった、推測や希望的観測にもとづいてターゲットを選定することのないよう注意してください。
活用している媒体が適切でない
集客に活用している媒体が適切でなかった場合、そもそも発信している情報がターゲットに届いていない可能性があります。
広告は「届きさえすればよい」というものではなく、タイムリーに届くかどうかが非常に重要です。
仕事帰りの会社員が気軽に立ち寄れるマッサージ店を営んでいるケースを考えてみましょう。
ポスティングチラシで訴求した場合、ターゲットが広告を目にするのは帰宅したタイミングです。
たとえ店舗の存在が認知されたとしても、当日にわざわざ出直してまでマッサージを受けたいという人は少数派でしょう。
ターゲットの生活パターンを分析し直し、相手の視点に立って集客施策を組み立てることが大切です。
セールスポイントがわかりにくい
ターゲットの側から見た際に、セールスポイントがわかりにくいことも集客が難航する原因の1つです。
自社の商品やサービスへのこだわりが強い事業者ほど、難解なセールスポイントを強調してしまいかねません。
例えば、コンパクトデジカメの購入を検討する消費者の多くは、画素数やセンサーの性能などはあまり重要視していないでしょう。
顧客が望んでいるのは、大切な人との思い出や旅行の記憶を残しておきたいといった「思い」の実現です。
カメラ自体のスペックや従来の製品との違いを数値で伝えても、ターゲットには響かない可能性があります。
セールスポイントが伝わりやすいものになっているか、客観的な視点から見直すことが大切です。
中小企業でもリピーター爆増!売れない商品も1年で売上10倍にできる”ある質問”とは競合分析が不十分
競合分析が十分に行われていないことも、集客の失敗につながる要因の1つです。
よくある例として、自社側の視点からしか分析が行われていないケースが挙げられます。
客観性が欠けていると、自社および競合他社の一側面のみを切り取った分析に終始しがちです。
結果として、次に挙げるような状況に陥りやすくなります。
- 自社の強みを過大評価してしまう/弱みを過小評価してしまう
- 他社の強みを自社の集客手法に取り入れようとしない
- 顧客が感じ取っている自社商品と他社商品の違いが見えてこない
- 自社の願望や希望的観測にもとづいて集客施策を決定してしまう
競合他社の商品を深く知ることは、自社商品への理解を深めることにもつながります。
特に集客に成功している競合他社については、何が顧客の心を捉えているのかをフラットな視点で探っていくことが重要です。
競合調査を進める方法は?調査項目やフレームワークも解説ブランドや商品が認知されていない
そもそも自社のブランドや商品の存在が認知されていないと、集客に苦戦しやすくなります。
多くの見込み顧客は、すでによく知っている・慣れ親しんだ商品やサービスを選ぶ傾向があるからです。
初めて見聞きした商品について機能や利便性がいかに優れているかを訴求されても、多くの人には響かないでしょう。
まずはブランドや商品を認知してもらい、興味を持ってもらうことが重要です。
商品・サービスの良さや優れている点が伝われば買い求めてもらえる、といった思考から脱却する必要があります。
存在を認知し、興味を持つことによって、初めて「店舗に足を運ぶ」「問い合わせる」といった行動へとつながるのです。
ブランディングとは?取り組むメリットや具体的な進め方について解説集客が少ない現状を打破する解決策
集客がうまくいかない現状を打破するには、どのような解決策を講じればよいのでしょうか。
集客施策の改善に役立つ5つのポイントをまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
集客の目標値を明確にする
集客を成功させるには、目標値を明確に掲げる必要があります。
漠然と「多くのお客様が集まってほしい」と思っていても、具体的に「誰を」「どのような方法で」集めるのかが定まりません。
集客の目標値を売上目標から逆算し、必要な購買人数や顧客単価、顧客ごとの購買回数を割り出しておきましょう。
目標値を定めることは「成功」の定義を明確にすることを意味します。
目標値を決めた上で、現状の集客状況との差異を常に意識していくことが大切です。
ペルソナを設定する
集客すべき顧客のペルソナを設定しておくことも大切なポイントの1つです。
ペルソナとは、実在し得る1人の人間像のことを指します。
例えば、ターゲットを「20代男性」と決めただけでは、具体的にどのような人を集客すべきかイメージが湧きません。
20代男性と一口に言っても、考え方やライフスタイルは一人ひとり異なります。
ペルソナを設定することにより、その人物の生活パターンや考え方・価値観が浮き彫りになっていくでしょう。
結果として、どのようなタイミングで情報を届ければよいのか、何を発信すべきなのかが絞られていくのです。
ペルソナのニーズを深掘りする
ペルソナを設定したら、彼・彼女のニーズを徹底的に深掘りしてください。
例えば、同じように店舗のチラシを手にした人の中でも、実際に来店するという行動に移す人とそうでない人がいます。
店舗へ足を運んだ人にとって何が決定打となったのか、十分に分析しておくことが重要です。
ペルソナのニーズを深掘りすることによって、訴求すべき商材や訴求方法を見誤るリスクを軽減できます。
貴重な見込み顧客とのタッチポイントを最大限に活かすためにも、ペルソナのニーズを深掘りしておく必要があるでしょう。
訴求ポイントを根本から見直す
現状の訴求ポイントを根本的に見直すことも、集客を強化する上で欠かせないポイントです。
顧客が最終的にメリットを得られるかどうかでなく、顧客が行動を起こす上で重要度の高い訴求ができているか問い直しましょう。
見込み顧客の行動は、多種多様な要因によって常に阻害されています。
より重要度の高い用事がある・わざわざ来店するのは面倒・今すぐ必要ではないなど、例を挙げればきりがありません。
多くの阻害要因を乗り越えてもらうには、「何よりも優先したい」という気持ちになってもらう必要があります。
あくまでも見込み顧客の視点に立ち、今すぐ行動するべき訴求ポイントが打ち出せているかを再検討してください。
タッチポイントを設計し直す
集客施策の考え方自体は間違っていなくても、タッチポイントの設計が正しくなければ集客は成功しません。
ファーストコンタクトに成功したとしても、次の行動を促す仕組みが欠けている可能性があります。
一例として、チラシを見て興味を持った見込み顧客をイメージしてください。
- チラシに記載の「体験プラン」を申し込みたい
- 申し込み方法が「電話」しかないことに気づく
- チラシを手にした時点ですでに営業時間を過ぎていた
- 面倒に感じ、チラシを破棄してしまう
翌日以降までチラシのことを記憶に留め、実際に電話をかける層は限られているでしょう。
タッチポイントの設計ミスは、集客の機会損失に直結しかねません。
自分自身が顧客ならどのような行動を取るかをイメージし、タッチポイントを設計していくことが大切です。
集客の失敗を挽回するための考え方
現状、集客がうまくいっていない状況を巻き返していくには、考え方の面も強化していく必要があります。
集客の失敗を挽回するための考え方を見ていきましょう。
はじめから最適解を求めない
集客施策は当初から狙い通りに機能するのが理想ですが、現実的にはうまくいかないケースも少なくありません。
はじめから最適解を求めるのではなく、テストを繰り返して施策を改善していく必要があります。
検討を重ねた上で実行に移した集客施策が失敗したとしても、改善につながる何らかのヒントが必ず見つかるはずです。
改善点を素早く施策へ反映させ、実行に移して効果を検証するPDCAサイクルをできるだけ速く回しましょう。
集客を成功させるには、「熟考すればうまくいくはず」といった思い込みを捨てることが大切です。
人を集めるだけでなく「顧客化」する視点を持つ
集客の目的は、あくまでも売上を伸ばし、顧客基盤を固めていくことにあります。
人を集めさえすればよい、というものではない点を常に念頭に置いてください。
来店した見込み顧客や、Webサイトを訪れたユーザーが「実際に購入するかどうか」が重要です。
見込み顧客の心理は、「購入するメリットが本当にあるのか」「信頼できるのか」など、常に揺れ動いています。
自信をもって自社商品を勧め、見込み顧客の背中を押す一言を添えることが大切です。
「顧客化するところまでが集客」であることを念頭に置いて集客施策を構築しましょう。
新規顧客獲得とリピーター創出は地続き
新規顧客の獲得にかかるコストは、既存顧客に販売するコストの5倍かかるといわれています(1:5の法則)。
集まった見込み顧客にもたらす印象や体験の一つひとつが、リピーター獲得の成否に響きかねません。
人を集めるだけでなく「気持ちよく購入してもらうこと」「たとえ購入しなくても良い印象を残すこと」に注力する必要があります。
新規顧客の獲得とリピーター創出はそれぞれ別の施策ではなく、地続きになっているという視点を持ちましょう。
リピーター獲得に有効なマーケティング施策とは?業種別の取組ポイントも紹介まとめ
集客が少ない・うまくいかない要因として、「仕組み」「伝え方」「考え方」の3つが考えられます。
今回紹介した失敗の要因と解決策をヒントに、ぜひ集客施策の改善を図ってください。
試行錯誤を繰り返していく過程で、自社に適した集客のコツが必ず見つかるはずです。
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