マーケティングの基本的なやり方と代表的な手法をわかりやすく解説

マーケティングの基本的なやり方と代表的な手法をわかりやすく解説

マーケティングの基本は「誰に(=セグメンテーション・ターゲティング)」「何を(=ベネフィット・差別化)」「どのように(=4P)」届けるか、という3点に集約されます。

本記事では、マーケティングの基本的なやり方(市場調査・戦略設計・施策設計・施策実行・効果検証)と、代表的な6つの手法をまとめました。

マーケティングの主な種類とともに押さえることで、マーケティングに関する基本的な理解を固めておきましょう。

マーケティングの基本

マーケティングの基本は「誰に」「何を」「どのように」提供するのかを考えることです。

それぞれの要素をマーケティングの考え方に当てはめると、次のように表せます。

  • 誰に:セグメンテーション・ターゲティング
  • 何を:ベネフィット・差別化
  • どのように:4P

各要素について具体的に見ていきましょう。

誰に:セグメンテーション・ターゲティング

セグメンテーションとは、市場を細分化することです。

細分化する際の基準は業種や商品・サービスによって異なります。

以下はセグメンテーションに用いられる評価軸の一例です。

  • 業種・業態
  • 地域
  • 売上規模
  • 年齢
  • 家族構成
  • 年収
  • 興味関心
  • 購買行動 など

ターゲティングとは、細分化した市場のうちどの層にアプローチするかを決めることを指します。

ターゲティングを行う際には、次に挙げる3点を考慮することが大切です。

  • ニーズがあるか
  • 自社の強みを活かせるか
  • 競争優位性を確保できるか

ターゲット選定を見誤ってしまうと、潜在顧客に商品・サービスの存在が認知されません。

マーケティングを成功させる上で、セグメンテーションとターゲティングは非常に重要な考え方といえます。

何を:ベネフィット・差別化

ベネフィットは「恩恵」という意味を表す言葉です。

マーケティングを成功させるには、商品やサービスが顧客にどのような恩恵をもたらすのかを明確にしておく必要があります。

高機能なフライパンを購入する顧客は、フライパンの素材やデザイン性に価値を見出しているとは限りません。

フライパンを使っておいしい料理を作ることにこそ、真の価値を感じている可能性があるのです。

差別化とは、自社商材が競合他社の商材とどのように違うのかを明確に打ち出すことを指します。

差別化要因は、顧客の体験価値を軸に設計することが重要です。

品質や機能性に限らず、サービスの質を高めたり顧客との接点を深めたりすることも差別化要因となり得ます。

どのように:4P

誰に何を提供するのかが決まったら、具体的にどのような方法で提供するのかを考えます。

提供する方法を考える際に重要な考え方となるのが「4P」です。

  • Product:商品・サービス
  • Price:価格・料金体系
  • Place:販路
  • Promotion:広告施策・販売方法

例えば、商品・サービスが素晴らしいものだったとしても、価格設定を誤ったことによって売れないことは十分に想定されます。

商品の品質・価格設定・販路に問題がない場合も、広告施策が適切でなければ商品の存在が認知されないでしょう。

4Pを総合的に検討することで、ターゲットに提供したい価値を適切に届けられるのです。

マーケティングの基本的なやり方

次に、マーケティングの基本的なやり方を見ていきましょう。

マーケティングの基本プロセスは次のとおりです。

  1. 市場調査
  2. 戦略設計
  3. 施策設計
  4. 施策実行
  5. 効果検証

それぞれの段階で具体的に何をするのか解説します。

1.市場調査

市場調査とは、「顧客は何を求めているのか」「需要はあるのか」「市場規模はどの程度か」などを調べることを指します。

企業がある商品を売りたいと考えていても、顧客が求めていない・市場に需要がない商品だったとすれば売れないでしょう。

商品が売れなければ、開発や製造、流通、販売にかかったコストが無駄になってしまいます。

商品を開発してから売るための方法を考えるのではなく、そもそも需要があるのかを把握しておかなくてはなりません。

「売れない」リスクをできるだけ排除しておくためにも、市場調査が不可欠です。

2.戦略設計

戦略設計とは、「誰に」「何を」「どのように」売るのかを立案することを指します。

マーケティングの全体像を決め、「絵を描く」ことが戦略設計と捉えてください。

市場調査の結果を元に、自社が強みを発揮でき、競争優位性を確保できるアプローチを考えることが重要です。

後述する施策設計は、マーケティング戦略にもとづいて構築されます。

商品の価格設定や提供方法に関しても、戦略設計の段階で決めておきましょう。

3.施策設計

設計したマーケティング戦略を元に、具体的な施策を設計します。

自社商品に対する認知を広げるには、次のような手法を用いた広告宣伝活動が不可欠です。

  • マスメディア:テレビCMや新聞の広告欄などを活用し、広範囲に情報を発信
  • デジタルマーケティング:インターネット広告を活用し、対象を絞って情報を発信
  • セールスプロモーション:チラシやDMなどを活用し、地域を絞って情報を発信

近年はデジタルマーケティングが注目されているものの、マスメディアやオフラインのチラシ・DMなどが有効な場合もあります。

商品・サービスの特性やターゲット層に合わせて柔軟に施策を設計することが大切です。

4.施策実行

施策設計にもとづいて、実際にマーケティング施策を実行へと移します。

マーケティング施策が最初から狙い通りに機能するのが理想ですが、実際には試行錯誤を繰り返すケースがほとんどです。

はじめからマーケティング施策の効果が挙がるのはレアケースと捉え、根気よく施策を改善していく必要があります。

5.効果検証

施策実行と常にセットで実施する必要があるのが効果検証です。

マーケティング施策の費用対効果を検証し、結果が思わしくない場合には原因を分析します。

原因を特定したら施策へと反映させ、再度施策を実行した上で効果検証を繰り返すことが大切です。

施策実行と効果検証のPDCAサイクルを回していくことは、マーケティングを成功させる上で不可欠な取り組みといえます。

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マーケティングの代表的な手法

マーケティングの分析や戦略構築にはさまざまな手法が用いられます。

特に押さえておきたい代表的な手法について見ていきましょう。

3C分析

3C分析とは、Customer・Competitor・Companyの3要素から市場を分析する手法のことです。

  • Customer(市場・顧客):市場規模・市場の成長性・顧客ニーズなど
  • Competitor(競合):競合の特徴・市場シェア・想定される今後の展開など
  • Company(自社):理念・ビジョン・自社の強み。現状のリソースなど

市場・競合・自社という3つの視点から市場を分析することで、外部要因と内部要因をバランスよく把握できます。

マーケティング戦略を考える上で、3C分析の結果が重要なヒントとなるでしょう。

4P分析

4P分析とは、Product・Price・Place・Promotionの4軸にもとづいて販売戦略を立案するための手法です。

  • Product(商品・サービス):何を提供するのか
  • Price(価格・料金体系):いくらで提供するのか
  • Place(販路):どのように売上を伸ばすのか
  • Promotion(広告施策・販売方法):どのように提供するのか

4P分析はあくまでも企業側から見た場合の戦略です。

4P分析を顧客側の視点に立って捉え直した分析手法を「4C分析」といいます。

  • Customer  Value(顧客価値):顧客が想起する商品・サービスの価値
  • Cost(コスト):顧客が商品・サービスに支払う費用
  • Convenience(利便性):顧客にとって簡単に購入できるか
  • Communication(コミュニケーション):顧客との良好な関係を築く方法

企業側・顧客側の双方の視点から分析することにより、独りよがりではない販売戦略を構築しやすくなるのです。

PEST分析

PEST分析とは、Politics・Economy・Social・Technologyの4つの観点から外部環境をマクロ分析するための手法です。

  • Politics(政治)法規制・規制緩和・国の政策・税制・外交関係など
  • Economy(経済):景気・為替・金利・経済成長率・失業率など
  • Social(社会):人口動態・世帯数・教育・犯罪・環境・文化など
  • Technology(技術):技術革新・特許・技術分野への投資動向など

いずれも自社ではコントロールできない要素であり、マーケティング戦略を構築する上でのリスクとなり得ます。

長期的な事業への影響なども織り込んだマーケティング戦略の構築に欠かせない分析手法といえるでしょう。

5フォース分析

PEST分析がマクロ分析のための手法であるのに対して、外部環境のミクロ分析に用いられるのが5フォース分析です。

5つのフォース(脅威)とは、次の要素を指します。

  • 競合他社の脅威
  • 買い手の交渉力
  • 売り手の交渉力
  • 新規参入の脅威
  • 代替品の脅威

特定の企業ではなく業界や産業全体を視野に入れて分析することで、自社が補うべき弱点や打ち出すべき強みが浮き彫りになります。

特に既存商品の売上伸長を図りたい場合や、新規商品を市場に投入する場合のリサーチに役立つ分析手法です。

SWOT分析

SWOT分析とは、Strength・Weakness・Opportunity・Threatの4要素を軸に内部環境・外部環境を分析するための手法を指します。

  • Strength(強み):顧客はなぜ自社商品を選ぶのか
  • Weakness(弱み):競合商品と比べて何が足りないのか
  • Opportunity(機会):環境の変化や競合の動向のうちチャンスとなる外部要因
  • Threat(脅威):環境の変化や競合の動向のうち脅威となる外部要因

SWOT分析はマーケティング戦略を構築する際に用いられるだけでなく、構築後の検証にも活用されます。

見落としている内部環境・外部環境がないかチェックする際に役立つ手法です。

STP分析

STPとは、Segmentation・Targeting・Positioningの3要素のことを指します。

「誰に・何を・どのように」提供するかを検討するための手法であり、マーケティング戦略の骨組みを考える上で重要な手法です。

  • Segmentation(セグメンテーション):市場をどのように細分化するか
  • Targeting(ターゲティング):どのセグメントに的を絞るか
  • Positioning(ポジショニング):どうすれば自社の強みを活かせるか

マーケティングは中長期にわたる施策となるケースも少なくありません。

途中で方向性を見誤ったり、戦略にブレが生じたりするのを防ぐためにも、STP分析をしっかりと実施しておくことが重要です。

マーケティング施策の主な種類

マーケティングと一口に言っても、施策にはさまざまな種類があります。

主なマーケティング施策を押さえておきましょう。

マスマーケティング

テレビや新聞、雑誌、ラジオといったマスメディアを活用したマーケティング施策です。

特定のセグメントに訴求するのではなく、不特定多数の生活者を対象としています。

幅広い顧客層に認知を広げられることから、年齢や性別を問わず顧客になり得る商材に適した施策といえるでしょう。

一方で、広告費が高額になりやすい傾向があるため、ビジネスの規模によっては十分な費用対効果が見込めないこともあり得ます。

ダイレクトマーケティング

顧客一人ひとりと直接やり取りしながら、購入につながるよう働きかけていくマーケティング施策です。

企業側から一方的に訴求するマスマーケティングとは異なり、ダイレクトマーケティングでは双方向性が重視されます。

顧客ごとのニーズに合わせてアプローチする必要があるため、見込み顧客の詳細な情報や行動データを活用する点が特徴です。

具体的な施策例として、次のものが挙げられます。

  • ダイレクトメール
  • テレマーケティング
  • メールマーケティング
  • レコメンデーション

上記のほか、商品に同梱する挨拶状やチラシ、使い方ガイドなどもダイレクトマーケティングの施策例の1つです。

一律に同じチラシ類を同梱するのではなく、購入商品に合わせて同梱物を変えることで顧客に合わせたアプローチが可能となります。

インバウンドマーケティング

質の高いコンテンツを制作し、見込み顧客にコンテンツを見つけてもらうことで顧客化していく施策です。

一例として、次に挙げるような施策がインバウンドマーケティングに含まれます。

  • コンテンツマーケティング(オウンドメディア、メルマガなど)
  • ダウンロードコンテンツ
  • 動画コンテンツ
  • イベント・セミナー開催

自社商品に関心を寄せている顕在層だけでなく、関連テーマに興味のある潜在層にも訴求できる点が大きなメリットです。

Webマーケティング

Webを活用して講じられるマーケティング施策の総称です。

デジタル媒体を活用するデジタルマーケティングの中でも、近年特に多く用いられている施策といえます。

具体的な施策例は次のとおりです。

  • SEO
  • Web広告
  • オンラインセミナー(ウェビナー)

さまざまなマーケティング施策の中でも比較的低コストで始められる点が大きな特徴です。

大半の見込み顧客がインターネットを利用している現代においては、取り入れておきたい施策といえるでしょう。

SNSマーケティング

SNSを活用したマーケティング施策の総称です。

Webマーケティングの一種ですが、独立したマーケティング施策として扱われるケースが少なくありません。

具体的には、次のような媒体が活用されます。

  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • LINE

SNSは拡散力に優れており、無料で始められる点が大きな特徴です。

SNS広告を併用することにより、ターゲットを絞って効率よくマーケティング施策を講じられます。

まとめ

マーケティングには多種多様な手法や施策がありますが、基本は「誰に・何を・どのように」届けるかを考えることです。

マーケティングという概念が指し示す範囲は非常に幅広いため、原点となる考え方を押さえておく必要があります。

今回紹介したマーケティングの基本を元に、ぜひさまざまな手法や施策への理解を深めていってください。

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