ブルーオーシャン戦略とは?メリット・デメリットや見つけ方、事例を解説

ブルーオーシャン戦略とは?メリット・デメリットや見つけ方、事例を解説

ブルーオーシャン戦略とは、新市場を開拓することで競争を回避し、自社独自の高い価値を創出して収益性の高い成長を目指す経営戦略です。

競合他社とシェア争いをせずに済むため利益率を高く設定できます。

しかし、競合のいない新しい市場を創出するのは難しく、ブルーオーシャンが見つけられないと悩む経営者は多いです。

この記事ではブルーオーシャン戦略のメリット・デメリットや見つけるためのフレームワーク、成功事例を解説します。

ブルーオーシャン戦略とは未開拓の市場で価値提供する方法

ブルーオーシャン戦略とは、競合他社が多い既存の市場(レッドオーシャン)から抜け出して、他社とほとんど競合しない新しい市場(ブルーオーシャン)を生み出し、独自の価値を提供して事業を展開する戦略です。

競争相手とシェアを奪い合うのではなく、顧客と市場の新たな需要そのものをつくり出します。

ブルーオーシャンで先行者優位を活かすことで、高い利益と成長の可能性が見込めます。

ブルーオーシャン戦略のメリット3点

ブルーオーシャン戦略を採用することで、他社との競争から抜けられ、高い収益を確保しやすくなります。

自社の強みを活かすための方向性を明確にし、事業拡大や持続的な成長を目指しましょう。

1. 競争が少ない

企業が既存市場での激しい競争を避け、まだ手つかずの新しい市場や未開拓の顧客ニーズを発見もしくは創出するため、他社との競争が少ないです。

従来の市場ルールや顧客争いから離れ、独自の価値提案によって新たな需要を創出するため、価格競争に巻き込まれず高利益を上げられます。

ブルーオーシャンでは先行者の優位性や高利益を確保しやすい状況が生まれやすいです。

2. コストを抑えやすい

ブルーオーシャン戦略は、未開拓の新市場を創造することで既存市場での激しい価格競争を避けられるため、コストを抑えやすいのが特徴です。

価格設定の自由度が高く、赤字リスクも減少します。

業界の常識や慣習にとらわれず、無駄な機能や過剰サービスを排除して本当に必要な価値に集中できるため、余分な広告費や低価格競争による利益の圧縮も避けられます。

結果として少ない費用で高い収益を目指せるのです。

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3. 市場シェアを拡大しやすい

ブルーオーシャン戦略は、他社が参入していない未開拓の新市場を創出することで、先行者優位を活かしやすく、自社が独占的に市場シェアを確保しやすくなります。

新しい顧客層や潜在的なニーズを掘り起こして、今まで誰も提供していなかった新しい価値を提案できるため、ブランド力や認知度も高まりやすいのが特徴です。

その結果、効率的かつ短期間で市場シェアを拡大することが可能となります。

ブルーオーシャン戦略3つのデメリット

ブルーオーシャン戦略のデメリットとして、模倣のリスクや市場創出の困難さ、コストの増加が挙げられます。

リスク管理を行い、戦略を修正できるようにしておくことで、長期的な成長につながります。

1. 模倣されるリスクがある

今、ブルーオーシャンに競合がいなくても、いずれ模倣されるリスクがあります。

利益が得られる新市場を築き、自社の成功事例が周りに知れ渡った場合、他社も同様の手法やサービスに注目し参入してくるためです。

資本力や実行力を持つ大企業などが量産化やコスト低減などで優位に立ち、シェアを奪いに来る可能性が強まります。

特許や強いブランディング、独自ノウハウなどによる参入障壁がなければ、市場がレッドオーシャン化し、元々の優位性が失われてしまう可能性があります。

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2. 市場の創出が難しい

新市場を見つけることや、新市場で価値や需要を創出することは困難です。

誰も気づいていない潜在的なニーズを探し出し、具体的な商品やサービスに結びつけるマーケティングスキルや観察力が必要です。

既存ビジネスの成功モデルや組織文化からの脱却が求められ、従業員や経営層の抵抗や不安も障壁となります。

ターゲット市場の存在や規模自体が不確実な場合も多く、ブルーオーシャンであっても必ずしも売上や利益が見込めるわけではないことにも注意しましょう。

3. コストが大きくなる

新しい市場を創出する過程で顧客に新たな価値を提供するために、開発費用や設備投資、マーケティング費用がかかります。

市場が未成熟であるため、需要を喚起するプロモーションや教育コストも高くなりやすいです。

市場自体の認知やニーズ喚起、イノベーター層の取り込みまで時間的コストがかかるため、短期的な成果を求めるのは難しいです。

製品やサービスが顧客に受け入れられなければ、市場に定着しないリスクも伴います。

ブルーオーシャンの見つけ方とフレームワーク

ブルーオーシャンを見つける方法として代表的なのは、戦略キャンバスとアクションマトリクスです。

2つのフレームワークを組み合わせると、既存市場と差別化し新市場を発見することが可能となります。

1. 顧客の課題を調査する

ブルーオーシャンを見つけるためには、顧客が抱える本当の課題や不満を正確に把握することが重要です。

顧客の課題を調査するには、主に以下の方法が実施されています。

  • アンケート調査
  • インタビュー調査
  • フォーカスグループディスカッション
  • ユーザーテスト

調査結果から既存の製品やサービスで満たされていない部分や、潜在的なニーズを掘り起こします。

まだ市場に参加していない潜在顧客のニーズを探ることで、新たな価値創造のヒントが得られます。

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2. 戦略キャンバスで市場の空白地帯を把握する

戦略キャンバスとは、企業が業界内における自社と競合他社の戦略的な立ち位置を視覚的に把握するためのフレームワークです。

横軸に業界の競争要因(価格・品質・サービスなど)を並べ、縦軸にそれぞれの要因に対して企業が提供する価値のレベルを示したグラフで、自社と競合他社の価値曲線を比較できます。

どこに差別化のポイントがあるか、どの要素を強化・削減すべきかが明確になります。

グラフで重ならない競合と大きく異なる特徴や、顧客が求めているがどの企業も対応していない領域がブルーオーシャンの候補です。

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3. アクションマトリクスで既存ビジネスを再検討する

アクションマトリクスとは、現状の競争要因に対して以下の4つのアクションを分析し、自社の既存ビジネスをどのように変化させれば新しい市場を創造できるかを視覚的に整理するフレームワークです。

取り除く顧客にとって価値が低いもの・提供過剰なものを取り除く
減らす顧客ニーズよりも過剰に提供している機能・品質などを必要最低限に減らす
増やす顧客ニーズがあっても十分に提供できていない価値を増やす
付け加える業界で存在しない要素や新しい価値を創造し付け加える

付加価値を増やしたり新たに付け加えたりする場合はコストが増えるため、不要な要素を減らしたり取り除いたりしてコストバランスを取ることが求められます。

アクションマトリクスによって、価値向上とコスト削減の両立を目指し、既存ビジネスの差別化と低コスト化を同時に達成する戦略を策定できます。

ブルーオーシャン戦略の成功事例5選

ブルーオーシャン戦略の成功事例を5社紹介します。

どの事例も顧客の潜在的な悩みを理解し、業界の常識から抜け出して商品・サービスを提供しています。

自社がブルーオーシャン戦略を採用する際の参考にしてください。

1. ユニクロ

https://www.uniqlo.com/jp/ja/

ユニクロはヒートテックやエアリズムに代表される機能性衣料で新市場を開拓しました。

寒い季節でも着ぶくれせずに暖かく快適に過ごしたいという潜在的な欲求からヒートテックが開発され、エアリズムでは暑いからインナーを着ない人が多い中、重ね着で快適に過ごせる新常識を提案しました。

企画から製造、販売までを一貫して手掛けるSPAモデルで余分なコストを削減し、高品質で低価格を実現しています。

消費者の充足していないニーズを捉え、常に新しい製品を開発し続けることで、競争の少ない環境で圧倒的なシェアを獲得し、長期的な優位性を維持しています。

2. QBハウス

https://www.qbhouse.co.jp

QBハウスは「10分1,000円カット(2025年9月現在1,400円)」という短時間・低価格・無駄を省いたサービス形態で、新しい理髪市場を開拓しました。

シャンプーや髭剃りといった付加サービスを取り除き、予約を不要とすることでコストカットを行いました。

店舗を駅構内やショッピングモール内などの利便性の高い立地に集中させて、顧客に手軽で迅速な理髪サービスを提供しています。

無駄を省いたシンプルなサービスにより、従来の理髪店とは異なる新しい市場を開拓し、競争の少ないブルーオーシャンを実現しました。

3. 任天堂

https://www.nintendo.com/jp/index.html?srsltid=AfmBOorYiiHHILVlhbY0qcm81z2rtm-uC8xAH0sYmQhwcgFa8X_mdvTJ

任天堂は、従来のゲーム市場が高機能やリアルな映像美を追求する中で、ゲームをしない顧客層向けに新しい価値を創出しました。

2006年に発売したWiiでは、誰でも簡単に操作できる直感的なリモコンを採用し、家族や友人と一緒に楽しめるゲーム体験を提供しています。

「家族や友人とみんなで楽しめる」「直感的な操作」などで従来と異なるゲームをしない顧客層を開拓し、大きな成功を収めました。

4. ZOZOTOWN

https://zozo.jp/?srsltid=AfmBOooVVhdm7MmydQ6ty7E6t3n8zAtjEhElIzDuVPZtQI3gJ6-FJ1Uf

ZOZOTOWNは従来のECモールと差別化に成功し、競争の少ない新市場を開拓しています。

従来、オンラインでの服の購入は試着ができず、サイズ感の違いによる失敗を恐れる顧客が多く、敬遠されがちでした。

ZOZOTOWNは身体計測用の「ZOZOSUIT」や足のサイズ測定の「ZOZOMAT」を開発し、自宅で正確なサイズを測ることを可能にしました。

ファッションコーディネートアプリ「WEAR」も提供して、購入した商品のコーディネートの参考にしやすくするなど、顧客体験を徹底的に改善しています。

5. スタディサプリ

https://studysapuri.jp

スタディサプリはオンライン学習に特化し、時間や距離の問題で塾に通えない生徒といった、従来の教育サービスが提供しきれていなかった新たな顧客層に向けてサービスを展開しています。

全国トップレベルの講師による高品質な授業をスマートフォンで手軽に受講できるため、時間や場所の制約を取り除きました。

少人数精鋭の講師体制や教室不要によるコスト削減を実現し、低価格化と高品質化を両立しています。

ブルーオーシャン戦略を活用してビジネスを拡大させよう

ブルーオーシャン戦略は、新しい市場や顧客ニーズを発掘し、後発の激しい競争から抜け出すための戦略です。

既存の市場で価格やシェアを奪い合うレッドオーシャンではなく、競争相手がほぼ存在しない未知の領域で独自の価値を提供します。

業界の常識を超えて不要な要素を取り除き、顧客価値を高める要素を増やすことで、他社との差別化と低コスト化を同時に実現し、効率的な市場開拓が可能です。

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